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クルマのトラブル「もしも」マニュアル
2022年12月6日更新
【今回の「なるほど!!」ストーリー】
Lさん(30歳・会社員)は、約5年前にスポーツカーを買った。
価格はそれなりに高かったが、小さいころから憧れていた1台なのでどうしても欲しく、7年ローンを組んで購入した。
以来、大事に大事に乗ってきた。速いクルマだけど、あまりスピードを出さず、常に安全運転を心掛けた。毎週の洗車は手洗いを基本とし、ボディには小さな傷も付かないよう気をつけた。購入後1年間は、納車時にシートにかかっていたビニールを外さないまま運転していたほどだ。
そのため、愛車は今もタイヤを除いて新品同様。Lさんは、5年近くもこの状態を保った自分を誇らしく思っていた。ちなみに、その間、隣席に乗せる恋人はできなかったが、「愛車を汚さないためには、かえってよかった」と捉えていて、特に気にすることもなかった。
ただ、最近、愛車に関する深い悩みが発生していた。それは、もうすぐ自動車保険の新車特約(車両新価特約)が付けられなくなることだった。これまでは、この特約のお陰で、もしもの事故で愛車が全損したとしても、再び新車を購入できる分の補償が出る状態にあった。ところが、初度登録から61ヵ月(5年と1ヵ月)経つと契約ができなくなってしまうのだ。ローンの支払いがあと2年残っている中でそういう状態となるのは、精神衛生上よろしくなく、万が一の事態を想像すると、いてもたってもいられない気分になった。
そんなLさんは、2022年2月のある日、安心点検のために、愛車を購入し保険も契約しているディーラーに立ち寄った。作業が終わるのを待っている途中、Lさんは担当営業に自分の悩みを打ち明けた。
「あと3ヵ月ほどでクルマを買って5年が経過し、新車特約が付けられなくなる。その後、もしもの事故で全損にでもなったとしたら、自損事故の場合は車両保険で補償され、相手がある事故の場合は相手の対物保険で補償されるんだろうけど、それは時価に基づいた補償だから、同じクルマの新車は買えないことになる。まあ、中古車は買えるかもしれないけど、それは嫌なんだよね」
深く頷きながら耳を傾けていた担当営業は、笑みを浮かべてこう言ってきた。
「Lさま、今契約している自動車保険を、東京海上日動の保険に切り替えてはいかがでしょうか? 実はこの1月、東京海上日動が『車両全損時復旧費用補償特約』という特約保険の販売を開始しました。新車特約が付けられなくなったクルマでも、これを付ければ、万が一の全損時に時価額以上の補償を受けることができます。まさにLさまに打ってつけの特約と言えるのではないでしょうか?」
暗く沈んでいたLさんの表情が、一瞬にしてぱあっと明るくなった。そして、自動車保険の更新にあたって、契約を東京海上日動に切り替え、「車両全損時復旧費用補償特約」を付帯する手続きをしたのは言うまでもない。Lさんにとって、めでたし、めでたしの春となったのであった。
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