ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」
近畿(大阪、京都、兵庫、奈良、滋賀、和歌山)
2017年11月9日更新
奈良県中部に位置する飛鳥地域。そこには、縄文時代からの古い遺跡と、その上に築かれたいわゆる飛鳥時代の遺跡が数多く残されています。大和王権が形成され、仏教が伝来、多くの寺院が建立され、そして万葉集に残る詩歌が詠まれた古代日本。飛鳥は、歴史ロマンの舞台として、日本人の郷愁を誘います。
飛鳥は、橿原市、桜井市、高取市の一部地域をも含む総称ですが、中心地域は現在の明日香村と言えます。大阪・京都・奈良それぞれから電車で約1時間というアクセスの良いロケーションですが、歴史的風土の保存・活用を目的とした『明日香法』(法律)によって守られ、総面積2,400ヘクタールすべてが歴史的風土保存地域、風致地区などに指定されています。そこには、古代からの歴史を保存しつつ、現代の観光や歴史教育に対応するインフラが整えられ、ある種の調和をもたらしています。
そして、そういった試みの最たるものとして登場したのが、電気の力で走る超小型モビリティ『MICHIMO(ミチモ)』のレンタル・サービスです(2015年4月から本格的に運用開始されました)。歴史ロマンの舞台・飛鳥を、最もエコで、最も先端的な超小型モビリティで巡るという、この発想・・・まさに古代と現代の出会いと言えるでしょう。
『MICHIMO』は、一般財団法人明日香村地域振興公社が、ソフトバンクモバイル株式会社と協力して行っているレンタルサービスで、車両は『日産ニューモビリティコンセプト(NISSAN New Mobility Concept)』を使用しています(レンタル車種として三菱自動車の『アイ・ミーブ』もあります)。
実は、日産ニューモビリティコンセプトは、現在の道路運送車両法には適合しないため、道路運送車両法の基準緩和を活用した特例として、飛鳥地域を走れることになっているのです。こうした取り組みは、日本国内でもごくわずかで、このかわいい超小型モビリティに乗って公道を走れる機会はとても貴重です。
日産ニューモビリティコンセプトはモーターとバッテリで走るEV(電気自動車)です。モーターの出力は定格8kW, 最高15kWで、最高速は80km/h。遺跡や名所を巡るには十分なフットワークです。満充電時の航続距離は約100kmで、200V普通充電でも約4時間で充電が完了します。左右に跳ね上げ式のドアがあり、ドライバーは車体のセンターに座って運転します。2人乗りで、もう一人は、ドライバーの後ろの席に座ります。
そして、利用者には『MICHIMO』とともに、ソフトバンクモバイルの関連会社が開発したナビアプリ『MICHIMOナビ』を搭載したiPadが貸し出しされます。これを使って、数多くの名所・史跡へのルートをナビゲーションしてもらうというわけです。操作方法は簡単で、「スポットで探す」「体験で探す」というメニューから目的地を探すことができます。「スポットで探す」で導かれる情報には、「寺院・神社」「史跡」「古墳・天皇陵」などのほか、「食事処」「コンビニ・ATM」「充電スポット」といったものまであるので便利です。また、テーマ別で設定されたルートも選定可能で、「飛鳥を包む歴史風土を感じる」「古代人の信仰に耳を澄ます」「万葉に綴られた恋物語を読む」などのルートを選ぶことができます。
『MICHIMO』の利用料金は税別3,000円(3時間)からで、予約はパソコンやスマートフォンから簡単にできます。
実は、飛鳥地方は歩いて回るには意外に広いので、これまでもレンタサイクルなどが活用されていました。でも、『MICHIMO』はさらに未来的な超小型モビリティの運転までもできてしまうのです。この体験、まさに新しい旅の姿と言えるのではないでしょうか。
『MICHIMO(ミチモ)』車両情報
車種 NISSAN New Mobility Concept
定員 2名
全長2340mm×全幅1230mm×全高1450mm
車重500kg
最高速度 約80km/h
航続可能距離 約100km
名称 | MICHIMO(ミチモ) |
---|---|
住所 | 奈良県高市郡明日香村越13-1 |
電話番号 | 0744-33-9090(MICHIMOステーション) |
営業時間 | 午前9時~午後6時(季節により変動します) |
休業日 | 年末年始 |
料金 | 3時間3,000円、5時間4,750円、1日8,000円(すべて税別) |
アクセス | 近鉄飛鳥駅を出てすぐのステーションでレンタル手続きができます。 |
駐車場 | MICHIMOステーションには駐車場がありません。来店の際は公共交通機関を利用してください。 |
公式HP | http://michimo.jp/ |
関連キーワード
ロータスな旅 > 近畿
『無鄰菴』は、明治・大正時代の政治家で、内務大臣や内閣総理大臣を歴任した山縣有朋の別邸の一つ。木造二階建ての母屋は1896(明治29)年に、レンガ造りの洋館は1…
2019.09.24更新
ロータスな旅 > 近畿
たこ焼きにお好み焼き、さらに最近はホットケーキと・・・グルメの話題には事欠かない大阪ですが、最近話題沸騰の絶品粉もんスイーツがあるんです。それはカヌレ。カヌレ…
2016.11.28更新
ロータスな旅 > 近畿
麩といえば一般的には丸い形をしていますが、滋賀県の近江八幡では四角い麩が食べられています。戦国時代城主の豊臣秀次が天守閣から城下町を眺めていた時に、整然とした町…
2016.10.14更新
ロータスな旅 > 近畿
約1300年もの歴史を持つ城崎温泉(兵庫県豊岡市城崎町)。古から湯治の湯として栄え、多くの人を集めて来ました。明治時代には多くの文人墨客が訪れ、ことに志賀直哉は…
2016.03.04更新
ロータスな旅 > 近畿
727もの島が浮かぶ、瀬戸内海。その中で最大の面積を誇る淡路島は、“花の島”と呼ばれる花の名所です。島のあちこちに花畑や桜並木があり、四季折々の花を楽しむことが…
2023.04.11更新
ロータスな旅 > 近畿
京都の喫茶文化を担ってきた『イノダコーヒ』は、1940年(昭和15年)に、現在地でコーヒーの卸業として創業し、7年後にコーヒーショップを開業しました。以来、地元…
2019.03.26更新