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2016年9月30日更新
埼玉県深谷市に存在する、小さな映画館『深谷シネマ』には、ちょっとした開設ストーリーがあります。
昭和30年代、深谷市には4つの映画館が存在しましたが、映画産業の斜陽とともに相次いで閉館し、以降約30年もの間、映画館がない状態が続きました。
1999(平成11)年、現『深谷シネマ』館長の竹石研二氏が「もう一度、街に映画館の灯を取り戻したい」と、仲間とともに「県北にミニシアターを!市民の会」を発足させます。そして、市民の賛同署名を集め、深谷市と話し合い、常設映画館の設立に向けて活動を開始しました。
その後、2000(平成12)年に、市内の洋品店「フクノヤ」の店舗2階に「フクノヤ劇場」を開館しましたが、店舗老朽化のために翌年に閉館。2002(平成14)年に、深谷市のTMO構想(市街地活性化構想)に認定され、同年7月27日、旧さくら銀行跡を改装し、最初の「深谷シネマ」が開館しました(当初は「チネ・フェリーチェ」〔イタリア語で“幸せな映画館”の意味〕という名称でしたが、街の人々の「名称が覚えづらい」という声を受けて、半年後に改称)。
その存在が深谷の街と人に浸透した、開館8年目の2010年に、当初から予定されていた深谷市区画整理事業により七ッ梅酒造跡への移転が決定。同年4月16日に、300年の歴史を持つ七ツ梅酒造の酒蔵を改装した現在の施設で新たなスタートを切りました。
こうして、全国でも唯一の、酒蔵を改装した街の映画館が誕生したのです。収容人員は57人。蔵をそのまま活かした空間は天井が高く、日本家屋独特の居心地の良さが感じられ、新しいシネコンなどとはまったく違った雰囲気を醸し出しています。
その後、2013年8月にデジタルシネマシステムを導入しましたが、それまでのフィルム映写機も引き続き設置されており、過去のフィルム作品も上映しています。
『深谷シネマ』は、一般料金を1,100円に設定しており、ロードショー公開時の作品は上映していません。上映されている作品は、来場者のアンケートをもとに決定し、新しいスケジュールが決まり次第、商店街に広告を配布したり、ホームページやtwitterで情報発信しています。
ところで、七ツ梅酒造跡地には、深谷とうふ工房や古本屋などの店も、酒造の家屋をそのまま活かした建物で営業しています。映画を観ることはもちろん、その前後の時間もゆっくり過ごしてみたい場所といえるでしょう。
名称 | 深谷シネマ |
---|---|
住所 | 埼玉県深谷市深谷町9-12 |
電話番号 | 048-551-4592 |
営業時間 | 午前10時~午後10時(最終上映は、原則として午後8時から) |
定休日 | 火曜日 |
料金 | 一般1,100円 障がい者900円 高校生800円 小・中学生700円 幼児(3歳以上)500円 親子ルーム使用料1,000円(埼玉県の子育て優待制度「パパママ応援ショップ優待カード」をお持ちのお客様は無料) |
駐車場 | 商店街無料駐車場あり |
アクセス | 関越道花園ICから20分 |
ホームページ | http://fukayacinema.jp/ |
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