防災地下神殿と呼ばれる世界最大級の地下放水路「首都圏外郭放水路」

首都圏外郭放水路（しゅとけんがいかくほうすいろ）は、埼玉県春日部市にある洪水を防ぐための施設です。内部に造られた巨大な水槽の見た目から「防災地下神殿」とも呼ばれています。

この辺りは、周囲より土地が低く、中川、倉松川、大落古利根川（おおおとしふるとねがわ）、幸松川、第18号水路の傾斜もなだらかなため、大雨が降ると水の流れが追いつかず、洪水・浸水被害が数多く発生していました。そこで、1993（平成5）年から13年の歳月をかけ、首都圏外郭放水路を整備。川からあふれそうになる水を地下の放水路に取り入れ、江戸川へ排水することで水の被害を軽減させました。





首都圏外郭放水路は、国道16号線の地下約50mの位置にあります。全長は約6.3kmで、世界最大級の地下放水路です。



首都圏外郭放水路では、4種類の見学会（有料・要予約）を開いています。見学者は100段ほどの階段を昇降しながら、施設内を巡ります（エレベーターなどはありません）。

「大人気！地下神殿コース」は、“地下神殿”のような「調圧水槽」を見学するコース。調圧水槽は、水の流れを弱め、江戸川に排水する役割のある施設で、長さ177m、幅78m、高さ18mの空間に59本もの巨大な柱が林立しています。所要時間は約55分、参加料は1000円(税込)です。



「迫力満点！立坑（たてこう）体験コース」では、調圧水槽と第1立坑を見学します。「立坑」は水を取り込む施設で、深さ約70m、幅30mに及びます。参加者は、ハーネスやヘルメットを装着し、作業用通路を歩いて、その大きさを実感。所要時間は約110分、参加料は3000円(税込)です。



「深部を探る！ポンプ堪能コース」では、調圧水槽のほか、ポンプ設備を間近で見ることができます。ポンプ室には、巨大なポンプが4台、それを動かしているガスタービンが4台あり、いずれも国内最大級。所要時間は約100分、参加料は2500円（税込）です。



「見どころ満載！インペラ探検コース」は、第1立坑から調圧水槽、水を江戸川へ排水するポンプのインペラ（羽根車）までを見学することができます。所要時間は約110分、参加料は4000円（税込）です。

見応えがあるうえ、治水についての理解が進む、首都圏外郭放水路の見学会。各コースによって、安全に参加するためのいくつかの注意事項があるので、ホームページでよく確認してから予約しましょう。

詳細情報

名称	首都圏外郭放水路
住所	埼玉県春日部市上金崎720
電話	048-747-0281
見学会開催時間	午前10時～午後4時（見学会の最終終了時間は午後5時）
龍Q館展示室開館時間	午前9時30分～午後4時30分（最終入館16時）
駐車場	約50台
アクセス	圏央道幸手ICまたは五霞ICから約30分、東北自動車道岩槻ICから約30分、常磐自動車道柏ICから約40分
ホームページ	https://gaikaku.jp/