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江戸時代初期に岡山藩主・池田光政によって創設され、「現存する世界最古の庶民のための公立学校」と言われる『特別史跡旧閑谷学校』

2017年8月29日更新

江戸時代初期の三名君の一人に、岡山藩主・池田光政がいます。父の死によって7歳にして家督相続し、姫路藩主となるも、幼少を理由に因幡鳥取藩に国替え。しかし、大いに政治・藩経営の手腕を発揮し、後に備前岡山藩藩主となります。

池田光政は陽明学・心学を奨励し、1641(寛永18)年、全国初の藩校・花畠教場を開校しました。さらに、重臣津田永忠に命じて1670(寛文10)年、日本ではじめてとなる「庶民のための学校」を創建しました。これが閑谷学校です(池田光政の「山水清閑、宜しく読書講学すべき地」との言葉から命名されたといわれる)。

閑谷学校_閑谷全景_R

旧閑谷学校の全景



校門(鶴鳴門)

校門(鶴鳴門)



講堂

講堂



閑谷学校は江戸期だけでなく、明治以降も学校として教育活動を行い、多くの有能な人材を輩出しました。創立300年以上もたった現在でも存続する、「世界最古の庶民のための公立学校」と言われています。現在では、当時の面影を残す史跡は『旧閑谷学校』として保存され、岡山県青少年教育センターが講堂などの教育遺産を活用した独自の研修プログラムを行い、小・中・高校生はじめ、一般人に学習体験を提供しています。

閑谷学校_講堂内部_R

閑谷学校_講堂学習_R

面積は38,829平方メートルで、周辺に765mにおよぶかまぼこ型の石塀がめぐらされています。学校建築は、儒学の殿堂にふさわしい様式を備えており、屋根瓦は備前焼です。敷地内に配置された施設のうち、講堂が国宝に指定され、小斎・飲室・文庫・聖廟・閑谷神社・石塀など24棟が国の重要文化財に指定されています。

閑谷学校_石塀_R

石塀



聖廟

聖廟



小斎

小斎



閑谷神社

閑谷神社



『特別史跡旧閑谷学校』の中心施設である講堂は、構内最大の建物です。ケヤキ、ヒノキ、クスなどの良材を選んで建築され、丁寧に使われ続け、現在でもまさに“現役”の教育施設です。西御堂と呼ばれる聖廟には孔子像を祀り、東御堂と呼ばれる閑谷神社には、創設者の池田光政像が安置されています。聖廟に登る石段の左右に一対の楷(かい)の木がありますが、中国山東省の孔子廟から持ち帰った種子から成長したものです。11月初旬、左側の葉は深紅色、右側は黄色がかった淡紅色に紅葉します。

閑谷学校_楷紅葉_R

2015(平成27)年4月には、特別史跡旧弘道館、史跡足利学校跡、史跡咸宜園跡などとともに、周辺の津田永忠宅跡および黄葉亭などを含めた『特別史跡旧閑谷学校』が、「近世日本の教育遺産群」として最初の日本遺産に認定されました。

また、2017(平成29)4月には、「きっと恋する六古窯―日本生まれの日本育ちのやきものの産地-」として備前焼(備前市)が日本遺産に認定され、その中で国宝の講堂などの屋根に使用されている備前焼瓦が構成文化財になっている。このことにより、『特別史跡旧閑谷学校』は、日本遺産にダブル認定されたこととなった。

『特別史跡旧閑谷学校』では、ボランティア・ガイドによる説明を聞きながら見学することができます(ガイドについては無料、ただし、予約が必要です)。また、講堂などの教育遺産を活用し、昔ながらの論語朗誦などを体験する研修プログラムは、5名から参加可能です(要予約、所要時間1.5~2時間)。参加費用は、施設使用料に加えて、大学生・一般:320円、高校生・勤労青少年:320円、小学生中学生:80円が必要です。

「学ぶ心」を再確認する、温故知新の機会となるのではないでしょうか。

詳細情報

名称 特別史跡旧閑谷学校
住所 岡山県備前市閑谷784
電話番号 0869-67-1436
開門時間 午前9時~午後7時
休館日 12月29日~31日
入場料 大人400円、小中学生100円、65歳以上200円 〔団体割引(30人以上: 大人320円、小中学生80円〕 ※障害者手帳提示の方は無料 ※資料館への入館料含む
アクセス JR山陽本線吉永駅下車→タクシーで約8分、JR赤穂線備前片上駅下車→タクシーで約15分、山陽自動車道備前ICより約15分、山陽自動車道和気ICより約5分、中国自動車道美作ICより約1時間
駐車場 500台(無料)
ホームページ http://shizutani.jp/

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