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2022年6月9日更新
午前8時。各チームのAドライバーによる「2022 もてぎJoy耐チャレンジ」の公式予選がスタートした。
2番手に4秒329の大差でポールポジション
相変わらず雨が降っている。路面は完全ウェットだった。
いかに優れたクルマでも、このコンディションでいいタイムを出すのは困難。昨年、ドライコンディションで行われた予選の総合ベストタイム2分25秒354よりも大幅に遅れるのは必至だった。
しかし、そんな中、鈴木貴大選手が駆るRacing Project LOTAS CLUBの黒い車両、All Othersクラスにエントリーしていたゼッケン241の「ロータスクラブ86kai協同」号が、驚異の速さを見せつける。
走りはじめは1周2分39秒台と平凡。だが、タイムトライアルを重ねるごとに徐々にスピードアップし、残り10分を切ったあたりから立て続けにすべてのセクターでベストタイムを記録。実況が「ぶっちぎりの速さ」と形容するほど、雨中において他を圧するドライビングとなっていた。
結局、鈴木貴大選手は、残り5分のところで30秒台も切り、2分28秒846のタイムでフィニッシュ。2番手に4秒329もの大差をつけ、まさにぶっちぎりのポールポジション獲得と相成った。恐るべき56歳である。
なお、もう1台、並木重和選手が駆る86/BRZクラスにエントリーの「ロータスクラブ86鈴木&並木」号は2分39秒422のタイムで総合7番手だった。実は本番に至るまで、走行練習が1回しかできなかったのだが、その状況下ではなかなかの記録といえた。そもそも並木選手は出場選手の中で最高齢の70歳。お見事というほかない。
Racing Project LOTAS CLUBのクルマとおじさんドライバーたちは、事前の想像以上に公式予選を頑張ったのである。
第一の目標は完走
予選後、各ドライバーに、決勝への意気込みを聞いた。
まず、ゼッケン242の「ロータスクラブ86鈴木&並木」号の2人の言葉から。
Bドライバー鈴木泰貴選手は、昨年は初めて乗るVitzでは遠慮気味だったが、今回は自分が用意したクルマのため、なかなか好調の模様。Bドライバーによる予選走行では2位のタイムを出している。
「決勝では上位を狙いたいけれど、うーん、どうかな。とりあえず完走を目指すことにします。上位入賞あるいは優勝するとしたら、All Othersクラスのゼッケン241のほうでしょう。鈴木貴大選手が相当速いクルマに仕上げているようだから。僕らのクルマはレース規定どおりでほとんどノーマルだから、あれには絶対に敵わないと思う」
Aドライバー並木重和選手は、上記で紹介したとおり、ドライブ経験の少ないクルマで公式予選7位という成績。決勝ではさらに上位を狙ってほしいところだが、そのあたりの思いはどうなのか?
「慣れないクルマでもなんとか走れることがわかったので、86/BRZクラスでの上位を目指したい。でも、周りは強敵揃い。そう簡単には前に行かせてくれないだろう。なので今回は、とりあえず楽しんで完走することを第一の目標にします」
勝てる可能性は大
続いて、ゼッケン241の「ロータスクラブ86kai協同」号に乗る2人の言葉。
Bドライバー大山茂選手は、若かりし頃、レーシングチームのメカニックや、レーサーを経験している陰の実力者。今回は、Aドライバーの鈴木貴大選手が日夜レース車両をつくりあげる手伝いもしたのだという。
「僕は今回が初参戦。しかも走行練習が1回だけ。クルマはよく仕上がっているけれど、そんなに速くは走れないかもしれない。決勝では、なるべく社長(鈴木貴大選手)がつくるアドバンテージをなくさないよう気をつけたい。総合優勝? 社長はもともとラリーをやっていたので、走行テクニックが抜群。それがサーキットでも発揮されれば……うん、優勝できるかもしれないね」
では、Aドライバーであり予選トップタイムの鈴木貴大選手はどう思っているのか。「優勝候補の本命ですね」と振ったら、こういう答えが返ってきた。
「クルマの専門家である僕らが一所懸命につくりこんだクルマだから、速いのは当然。逆に速くなきゃまずいというプレッシャーがある。昨夜はそのプレッシャーで眠れなかったほどです(笑)。予選で1番が取れたのは、クルマの速さもあるけれど、雨に合わせたタイヤの空気圧とダンパーの調整がバッチリはまったことが大きいと思う。ドライバーのテクニックのほうは、まあ、ぼちぼちですよ。決勝も、天候に合わせたセッティングと燃費計算に成功しさえすれば、たぶん勝てるような気がします」
さて、結果やいかに!
「2022 もてぎJoy耐チャレンジ」レポート
(前編)関東のロータス店合同チームが、人気の3時間耐久レースに挑戦!
(中編)雨の予選。56歳の鈴木選手がぶっちぎりのタイムでポール獲得!
(後編)波乱の決勝。ロータスおじさんたちの激走の行方やいかに!?
(付編)チームメンバーたちの声
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