達人に訊く（26）EV＆PHEVは電源としての魅力も大です！

今月の達人
ロータス東和オート・新城浩司

「知っているようで知らないEVの魅力」パート２。今回は、EVとPHEVは電源としてもすごいというお話です。

アウトドアで家電が使えるアイミーブ

EVそしてPHEVは、走りや燃費（電費）がいいだけではありません。クルマから電気を取りだし、それをいろんなシーンで活用できることも大きな特長のひとつとなっています。

たとえばEVのアイミーブ。
オプションのMiEV power BOXを使えば、車載バッテリーから100ボルト最大1500ワットまでの電力を取りだせます。スマホやPCの充電なんて当たり前。キャンプなどのレジャーにでかけたときなんかは、外にいながら炊飯器や電気ケトル、ヘアドライヤーといった家電をしっかり動かすことができるんです。すごくないですか？

じつは、宮古島のFM放送（ウチのお客さまでもあります）が開催したイベントに協力して、iMievの電気を使って放送機器を動かし、会場から生放送をやったことがあります。そのときは、みんな「へえ、EVってこんな洒落たこともできちゃうんだ」って、目を丸くして驚いていましたね。

あと、これは商用EVのミニキャブ・ミーブをお使いいただいているマンゴー農家のお客さまの例なんですが、その方は台風で停電したときに、収穫したマンゴーを冷やすためのクーラーの電源としてミニキャブ・ミーブを使い、無事出荷されたということです。その事実を聞かされたときは、こんどは僕のほうが「うーむ、なるほど、そんな使い方もあるんだ」って深く感心した覚えがあります。

10日分の電力が賄えるアウトランダー

PHEVアウトランダーの電源としての使い勝手のよさは、さらにすごいことになっています。

なにしろ、アウトランダーには二つの1OOボルトのAC電源のコンセントが標準装備（S Edition、G Premium Packageの二車種以外はメーカーオプション）されているので、パワーボックスは不要。容量の大きいバッテリーに十分な電気をためておけば、いつでもどこでも最大出力1500ワットまでの家電がしっかりと使えます。

もちろん、台風や地震による停電時の非常用電源としても超優秀。バッテリーチャージモードによるエンジンでの発電を組み合わせれば、なんと一般家庭の最大10日分に匹敵する電力が賄えてしまうんです。

外にでかけてクルマの電気を活用し、家でもクルマの電気を有効利用する。新しい時代のクルマは、走りの魅力だけでは語りきれない存在になっているということですよね。

V2Hに繋げれば超スマートなエコライフも

EVとPHEVの電源としての魅力は、まだまだあります。

市販されているV2H（Vehicle to Home）機器に繋げば、家の分電盤を通して、一気に家全体の電源として使えるようになります。たとえば、自然災害などによって地域一帯が停電したとしても、EVとPHEVを電源として使い、照明その他の電気機器を動かすことができます。

そうした緊急時対応だけではありません。電気料金の安い夜に充電しておいた電気を、昼間の家庭用電気として利用するというスマートライフの実現にも役立てられます。クルマに乗るのは週末だけという人にとっては、非常に効率的なクルマの使い方ということになるのではないでしょうか。

じつは、ウチのショールームでは、太陽光発電した電気をV2Hを介して数機の中古のリユースバッテリーシステムと、社有車のアイ・ミーブなどに充電していています。そして、それらの電源から再びV2Hを介して電気を取り出し、ショールームの照明や情報機器、エアコン、冷蔵庫などを動かしています。

地下に設置されたリユースバッテリー

つまり、「EVとPHEVを売る場」というだけではなく、「EVとPHEVを使ったエコライフを提案する場」として、目で見て実感していただけるショールームになっているんです。

初期投資はそれなりにかかってはいるのですが、長い目で見れば非常に経済的です。

それに、台風がやってくることの多いこの宮古島で、もしも送電機器や電線が被害を受け停電したとしても、このショールームは独自に稼働できるので、この地域における災害時の防災拠点としての役割も担っています。

環境によくて、経済的で、災害に強いこのショールーム。ここで働いていると、とても気持ちがいいですよ（笑）。ご関心のある方は、ぜひ、見学にお越しいただければと思います。

ということで、EVそしてPHEVのもう一つの魅力、おわかりいただけましたでしょうか？
もう、クルマは走るだけのものという古い固定観念に縛られるのはやめましょう。ともに、電源にもなるという新しい時代の新しいクルマの魅力をとことん満喫してまいりましょう！

お店紹介

ロータス東和オート（株式会社東和）：新城浩吉会長が1978年に創業した、沖縄県宮古島市にあるロータス店。ファッション業界など他業界でビジネスセンスを磨いた後にUターンした新城浩司社長は、『アイミーブ』発売に触発されて三菱自動車などのEV・PHEV・PHVの販売・整備に力を入れ、宮古島をEVアイランドにすべく奮闘中。2020年にはEV・PHEV・PHVの累計販売台数500台達成をめざしている。