ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」

みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

EVキーマンに聞く/GLM株式会社社長 小間裕康 ②EVスーパーカーGLM G4開発コンセプト~「あえてタブーに挑戦しています!」

2019年6月27日更新

トップ②web

GLMは現在、日本初のEVスーパーカーであるGLM G4(以下、G4)を2019年にローンチすべく、鋭意開発に取り組んでいる。社長の小間裕康氏は、詳細はまだ明かせないといいつつも、その開発コンセプトについて熱く語ってくれた――。

トミーカイラと違うとんがり方

EVスーパーカーであるG4のコンセプトカーは、2016年のパリモーターショーで初披露され、2017年には東京でも披露の場がもたれた。その姿を見ると、車種こそちがえ、トミーカイラZZのいいとんがり方が踏襲されている印象が強くあった。だが、小間氏によると、往年の名車を踏襲しての開発だったトミーカイラZZと、まったくオリジナルのEVスーパーカー開発であるG4は、かなり違うという。

社長顔③web

「当社は、大手自動車メーカーをはじめ旧来のメーカーにはできないクルマづくりをしていて、それは常に乗る人にワクワクする体験と時間を提供できるものでなければならないと考えています。だから、EVのスポーツカー、そしてスーパーカーというとんがったクルマの開発・販売を進めているわけで、そういう意味では同じ方向を向いているということができます」

「ただ、今回は、すべてがオリジナルの開発ということもあり、とんがり方の方向性が大きくちがってきているのも事実です。じつはわれわれは、スーパーカーのタブーに挑戦するというテーマでG4開発に取り組んでいるのです」

社長②web

4人乗りの静かなロードヨット

スーパーカーのタブーへの挑戦とはいったいなにか? 小間氏はニヤリと笑ってこう答えた。

「開発コンセプトからして、従来のスーパーカーとは異質です。われわれはG4開発にあたって『ロードヨット』というコンセプトを打ちだしていて、大海原をクルージングするようなラグジュアリーな走りと時間が満喫できるEVスーパーカーの実現をめざしているのです」

G4フロントweb

「具体的な内容を少し紹介すると……従来のスーパーカーというのは大排気量のエンジン音をけたたましく発しながら高速で走り、それで周囲から注目される存在となっています。しかし、EVはほとんど音を発しません。そうであれば、逆に上質な静寂のなかで感動的な走りと時間が味わえる、まったく新しい価値を生むスーパーカーをつくるべきであり、その方向を特化させて開発を進めているのです」

「空間づくりについてもタブーに挑戦しています。従来2シーターの狭い空間がスーパーカーのセオリーであるところ、G4は4人がゆったり乗れる空間にすることをめざしています。4枚の跳ね上げ式ドア『アビームセイルドア』は、それを象徴するものとなっています」

G4ドアオープンweb

G4は先端技術のショーケース

トミーカイラZZが美味しい素うどんなら、G4は、ある意味、すべての具を乗せたゴージャスなうどんということになるだろうか。 そこには、いったいどんな機能が盛り込まれることになるのか。

「盛り込む具体的な機能に関しては、まだ詳しくはお話できません。しかし、トミーカイラZZが必要最小限のこだわり技術を載せたクルマだとしたら、G4は先端技術のショーケースといわれてもおかしくない、新機能満載のクルマになります。発表段階では、たぶんみなさんにビックリしていただけるものと信じています」

「自動運転技術に関しては、自動運転レベルによって内容が大きくちがうので、それについても現段階では詳しくはお話はできません。ただ、ざっくりしたことをいうなら、ラグジュアリーな運転を支えるための運転制御システムなど、最新の安全技術を取り込んでいくことはまちがいありません。期待していてください」



はたしてG4は、どんなEVスーパーカーとして登場することになるのか、2019年のローンチを首を長くして待つばかりだ。
なお、現在、GLMは、トミーカイラZZおよびG4を開発・販売するという完成車ビジネスを進めるいっぽうで、EVによるプラットフォームビジネスを本格始動させつつある。つづく③で、小間氏にその概要を聞いている。(③につづく)

(文:みらいのくるま取材班)

EVキーマンに聞く/GLM株式会社社長 小間裕康

①トミーカイラZZ誕生エピソード~「とんがったEVがだしたかったんです!」

②EVスーパーカーGLM G4開発コンセプト~「あえてタブーに挑戦しています!」

③プラットフォームビジネスの展開~「さまざまなオリジナルEVが可能です!」

プロフィールweb

小間裕康(こま・ひろやす)
GLM株式会社 代表取締役社長
1977年8月3日生 。 大学時代に音楽家派遣サービスをはじめ、2000年に株式会社コマエンタープライズを設立。国内外の電機メーカーへのビジネスプロセスアウトソーシング事業に展開。 2010年にGLM株式会社を設立。独自開発のEV Platformをもとに、EVスポーツカー「トミーカイラZZ」を開発。 2015年に日本のベンチャーとして唯一、EVの量産を開始。 2016年にパリモーターショーにて次世代EV「GLM G4」を発表。

関連キーワード

  • ロータスカードWeb入会
  • ロータスカードWeb入会
  • 店舗検索
  • 店舗検索
  • 楽ノリレンタカー
  • 楽ノリレンタカー

あわせて読みたい

  • 【ルポ】日本EVクラブ『電気自動車EVスーパーセブンで東北被災地を巡る旅』③・・・「東北の人たちがEVに乗れば震災支援の恩返しができる」(柴山明寛)

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    【ルポ】日本EVクラブ『電気自動車EVス…

    災害大国にはEVが不可欠日本は災害大国だ。頻発する地震だけでなく、近年は異常気象の影響で台風や集中豪雨といった災害も増えている。国連大学が、世界171ヵ国…

    2018.06.26更新

  • 2017年の注目ニュース① 「自動走行システムによる事故」に対応する自動車保険の無料特約がスタート!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    2017年の注目ニュース① 「自動走行シ…

    ロータスクラブの提携企業である東京海上日動火災保険株式会社。その東京海上日動火災が、日本ではじめてとなる「自動走行システムによる事故」に対応する自動車保険の無料…

    2017.01.16更新

  • BookReview(27)『田舎のポルシェ』―長距離ドライブへの思いが募る滋味深いロードノベル

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    BookReview(27)『田舎のポル…

    コロナ禍による巣ごもり生活が続き、誰かと長距離ドライブをすることなんてほとんどなくなった。そして、ドライブがどれほど心動かす体験であるのか、すっかり忘れてしまっ…

    2021.06.24更新

  • BookReview(34)『EVのリアル』―EV懐疑派も、ノルウェーのEV事情に接すればきっと変心する!

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    BookReview(34)『EVのリア…

    著者の意識を変えた欧州のリアルなEV事情著者は日経新聞の記者。職業柄、最新の自動車市場の動向には明るいのだが、2017年までは「EVなんて普及するの?」と思…

    2022.10.12更新

  • EVキーマンに聞く/EVレース王者 地頭所光選手 ③「“カートからレーサー”は無理と感じ、東大受験に専念」

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    EVキーマンに聞く/EVレース王者 地頭…

    高校生になってカートを手に入れた。週末はレースとバイトに明け暮れた。だが、高校2年の秋、そんな生活も終わりを告げることに。夢と現実の狭間で悩んだ末の決断。…

    2022.03.24更新

  • 次世代エコカー勉強会〈1時限目〉人類は200年近くも前からモーターで走ることを夢みていた。

    みらいのくるまの「ただいまのところ」情報

    次世代エコカー勉強会〈1時限目〉人類は2…

    ここは、未来のクルマや新しいカーライフを研究するコーナー。できるだけわかりやすく、そのヒミツや魅力を解き明かしていく。まずは、最近話題の次世代エコカーについての…

    2015.10.16更新

< 前のページへ戻る