ロータスクラブが運営するクルマとあなたを繋ぐ街「ロータスタウン」
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2017年4月28日更新
トコトンむずかしいが
第1章はわかりやすい
さて、ようやく書評である。
この『トコトンやさしい電気自動車の本』は、いわゆるロングセラー本である。2009年に初版がでて、2016年には最新情報を加筆して形で第2版がだされている。タイトル含め、一見、すごくわかりやすくて人気がある一冊という風情を醸しだしている。
ところが、読み進めるうちに、その見立てが大きくちがうことがわかってくる。トコトンやさしいなんて偽りで、トコトンむずかしい本となっているのだ。
たとえばこの一文、わかるだろうか?
〈モーターが止まっている状態で電源をオンすると電圧Vを巻線の抵抗Raで割った大きな電流Iaが流れます。トルクは電流Iaに比例するので始動トルクは大きく、電車や電気自動車に向いています〉
〈ガソリンエンジンやディーゼルエンジンを使った自動車やこれらを電動モーターと組み合わせたハイブリッド車(HV)では、燃料のほとんどが原油由来なので採掘から給油所までのWell-to-Tankのエネルギー効率がほぼ同一で、走行パターンさえ決めればCO2排出量がすぐに比較できます。
▼しかし、長期戦略を考えるときは、太陽光や風力、波力などの再生可能エネルギーを前提に論じて良いと思います。
▼エコカーを、いくつかの前提条件で総合的に比較した検討事例を、図2に示します。再生可能エネルギーの時代のエコカーの主役は、電気自動車であると言えるでしょう〉
※『トコトンやさしい電気自動車の本』のP13に掲載されているグラフを参考にして作成
〈製品の属性を因数分解すれば「構造」と「機能」に分かれます。過去100年間、私たちはエンジンとトランスミッションによって「構造」と「機能」が制約されたクルマに慣れ親しんできました。
▼モーターだけで動く順電気自動車(EV)はエンジンを搭載したクルマと違いレイアウトと機能の設計自由度が飛躍的に高くなります。従来の延長線上にない、エンジン車に慣れた人から見たら変わったクルマが作れます。
▼EVの欠点は航続距離が短いことです。電池の開発は時間がかかります。仮に電池が進歩しても走行損失が小さいことは良いことです。EVは車体設計の自由度が高いので走行損失を半減できるでしょう〉
関連キーワード
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
リチウムイオン電池よりも優れた性能を持つ次世代電池の中でも、EV(電気自動車)の駆動用バッテリーとして最も期待されているという全固体電池。後編では、この全固体電…
2020.07.07更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2015年に往年の名車トミーカイラZZをEVスポーツカーとして復活させ、2019年には日本初のEVスーパーカーであるGLMG4を量産するというGLM。社長の小…
2018.01.17更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
いま、電気自動車が次世代エコカーの主流になりそうな気配が濃厚だ。ということで、「電気自動車の基礎から勉強しなおさなければ」と思い、『トコトンやさしい電気自動車の…
2017.02.13更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
女性そして母の視点で豊かなカーライフの在り方を提言し続けている自動車ジャーナリストのまるも亜希子さんに、EV(電気自動車)とPHV・PHEV(プラグインハイブリ…
2019.06.25更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
EVはエコではあるがゼロエミッションではない走るときも給電するときも、EVから排気ガスはでない。しかし、完全なるゼロエミッションを達成しているのかというと…
2018.06.26更新
みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
スマートな運転が航続距離を伸ばす▶このごろ、街中ではEVの存在感がグッと増してきています。塙さんがめざしてきたことが現実化しつつあるということですが、どのよう…
2017.07.25更新