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BookReview(43)『図解まるわかり 電気自動車のしくみ』―EVの基礎知識+α。夏休み自由研究のネタ本にも最適!

2023年7月20日更新

書評_電気自動車のしくみ_1

楽しい夏休みシーズンだが、小中学生にとっては宿題の存在が難敵だ。特に自由研究は、保護者を巻き込みながらの一大事となる。

今回紹介する本は、そんな悩みに直面しそうな子どもや大人たちにおすすめしたい一冊となっている。

小学生でも書ける!?
EV普及の遅れの理由

今はカーボンニュートラルに向かう時代。走行中にCO2を出さない電気自動車を自由研究のテーマに選ぶのは、非常に時流にマッチしている。このテーマでレポートを出せば、先生の評価が高くなること請け合いだ。

では、ネタ本をどうするか。

なるべく最新の情報に基づいて平易に系統立てて書かれているものを選びたいところ。その点、夏休み直前に発行されたこの本はベストといえる。

EVに関するあらゆる最新情報、すなわち基本的な仕組みや環境性能、歴史などが読みやすい文章とわかりやすい図で解説されており、小学校高学年から中学生であれば、ストレスなく読み進められ、無理なくレポート執筆ができるようになっている。本書から一部を引用してみよう。

〈電気自動車とガソリン自動車の大きな違いは、走行中に排気ガスや騒音を出すか出さないかにあります。ガソリン自動車は、走行中にエンジンから大気汚染や地球温暖化の原因とされる有害物質を含む排気ガスを出し、大きな音を出します。一方電気自動車は、走行中にこれらの物質を含む排気ガスを一切排出せず、ガソリン自動車よりも静かに走ることができます。このため電気自動車は、走行中に環境に負荷をかけないことから「エコカー」の一種とされています〉

しかも、各章の末尾にある「やってみよう」コーナーで出されている設問が秀逸。この問題に答えながら考察を加えれば、レポートはより高いレベルのものになるし、オリジナル性もしっかり出せるようになる。

例えば設問のひとつに「日本で電気自動車が売れない理由を考えてみよう」というのがある。大人でもすぐに答えるのが難しい内容だ。しかし、この本に書かれていることをベースにすれば、高いレベルの考察ができる。先生は、間違いなくいい評価をくれることだろう。

今年の夏休みの自由研究のネタ本として、是非とも前向きに購入を検討されたい。きっと期待以上の結果が得られるはずだ。

ちなみに、評者がこの本で「へえ、そうなんだ」と思わされたのは、EVが出すヒューンという音に関する記述。

それによると、この音は磁励音(じれいおん)と呼ばれるものであり、単にモーターが回転する音ではないらしい。
〈(磁励音は)インバータが出力する三相交流に含まれるノイズによってモーターなどが振動することによって出るものです。ただし、近年登場した電気自動車では、磁励音が目立ちにくくなっています。これはパワー半導体の動作周波数の向上やノイズフィルタの性能の向上など、ノイズを低減するための改良が進んだおかげです〉

三相交流とか、パワー半導体とかの専門用語が並び、一見、難解に思えるかもしれないが、その点もご安心。別ページでそれぞれについて平易な解説がなされているので、それを押さえた上で読めば、電気関係に弱くても比較的すんなりと理解が進む。この本は、そこまで気をつかってくれている。

ということで、夏休み中の子どもや保護者のみならず、既にある程度電気自動車の知識を持っていると自認している大人たちにも購入&一読をおすすめしておきたい。

書評_電気自動車のしくみ_2

『図解まるわかり 電気自動車のしくみ』
・2023年6月12日発行
・著者:川辺謙一
・発行:翔泳社
・価格:1,848円(税込)

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