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2018年5月15日更新
刺激的なタイトルには裏づけがある
『自動車会社が消える日』とは、なかなか刺激的なタイトルだ。
いったい、どういうつもりでこんなタイトルをつけたのだろうか?
著者は「はじめに」でこう書いている。
“今、自動車産業の大きなパラダイムシフトが進みつつある。本格的な自動車産業が誕生したのは100年以上前の1908年。アメリカでヘンリー・フォードが「T型フォード」を大量生産して、販売をはじめたときだが、それ以来の劇的な変化が起きているのだ。”
“ところが日本の自動車産業は、そうした変化に対応できているようには見えない。受け身に回って外国企業や新規参入組から攻められつづけていると言った方が正確かもしれない。しかも一部の経営者はそうした現実から目を逸らそうとしているようにさえ見える。それこそが危機なのだ。”
“自動運転を支える技術開発でも日本は大きく出遅れ、デファクト・スタンダードは欧米勢に握られつつあるのが現状だ。”
“このままではいずれ自動運転に関するOSなどの基本技術は「シリコンバレー」に握られ、自動車メーカーは「箱」だけを造る時代が来るかもしれない。”
“人工知能では、こうしたリスクへの対応も可能になりつつある。日本メーカーがこつこつ積み上げてきたデータに代わって、ビッグデータから人工知能が判断してアルゴリズムを構築できてしまうからだ。”
“しかし、日本の大企業の経営者はこうした大胆な発想になかなか付いていけず、現実を直視しない傾向にある。”
“マツダの小飼社長も、「クルマのパワートレイン(動力源)はマルチソリューションの時代」と語る。マツダは19年に発売する予定のEV開発にも力が入っている。--中略-- 「コモンアーキテクチャー」や「モデルベース開発」を駆使して、独創的なEVを出すといわれている。”
“このEVで、マツダは看板技術だったロータリーエンジンを復活させる計画だ。EVは電池が切れた際に近くに充電設備がないと困る。それをカバーするために、発電機として小型ロータリーエンジンを搭載するのだ。”
“マツダでは内燃機関の技術を徹底的に磨いたうえで、その上に少しずつ電動化技術を積み上げ、その最上位にEVなどを置いている。これは2000年代半ばから決めている戦略だ。だから「マツダがEVで遅れている」という見方は皮相的なのだ。”
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