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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

【番外編】緊急脱出の準備、できていますか!? JIS適合の「消棒RESCUE」が頼りになるワケ(後編)

2018年5月9日更新

もしも_消棒web

新しい「消棒ライフセーバー」は
軽自動車ユーザーがターゲット

「消棒RESCUE」の高性能さはとにかく群を抜いている。コンパクトな消火機能付きの緊急脱出支援用具ということに限っていうなら、この領域にまでたどりついている製品は世界中を探しても見当たらない。よく“技術大国ニッポン”といういい方がされるが、この製品は、まさにそれを体現しているひとつといっても過言ではないのだ。

ただ、市場に出回る商品として、課題もそれなりに存在している。それはなにかというと、高額な部品や素材を使用しているために販売価格が高めになってしまっているということだ。

「定価は6,000円(消費税別)です。品質面で問題があるにせよ、廉価品が出回っている状況では、価格が購入選択に影響を及ぼします。発売後約10年で50万本以上を出荷した実績はあるものの、多くの人の安全ということを考えれば、もっと普及させなければなりません」(吉田英夫社長、以下同様)

こうした問題点をはっきりと認識したワイピーシステムは、すぐに対策へと動いた。数年前からマーケティング調査を行ったうえで、新たな製品づくりに乗りだしたのである。

「調査で、いろいろなことがわかってきたのですが、一番目に止まったのは、『消棒RESCUE』のような高性能な緊急脱出支援用具をもっとも欲しているのは、じつは小さな子どもをもつお母さんドライバーであるという事実でした。同乗させる子どもを危険から守りたいという思いの強さが、高性能さを求めているということです。そして、そうした方々の多くは軽自動車に乗っていて、高額出費にシビアであることも判明しました」

この結果を受けて、ワイピーシステムは「軽自動車に乗り、家計にシビアなお母さんドライバーでも気軽に購入できる新たな高性能緊急脱出支援用具」を開発・販売することを決めた。その結実が、現在発売中の「消棒ライフセーバー」なのである。定価は3,000円(消費税別)と、「消棒RESCUE」の半分の価格設定となっている。

消棒ライフセーバー_製品web

女性に使いやすいデザインで
軽のドアポケットにもフィット

「消棒ライフセーバー」は、端的にいうならば「消棒RESCUE」に備わっている消火機能を差し引いた製品ということができる。シートベルトを切るためのカッターやウインドウを割る突起の超硬金属はそのままに、二酸化炭素ガスが充填されたボンベをなくすことで価格をかなり低く抑えたというわけだ。

「ただし、単に引き算をしただけの製品ではありません。『消棒ライフセーバー』単体としてのクオリティの追求はしっかりと行っています。デザインはやはりフィアロさんに一からお願いし、サイズを小さくしたうえに、やや扁平にするなどして、小さな手の女性でももちやすくて使いやすい形状を実現しています」

消棒ライフセーバー_後編web

「サイズを小さくした理由はもうひとつあります。緊急脱出支援用具というのは、万が一のときに手が届く範囲にあるべきということを考えれば、ドアポケットにアタッチメントをつけて設置しておくのが理想です。しかし、軽自動車のドアポケットというのは普通乗用車より小さく設計されているので、アタッチメントをつけた『消棒RESCUE』のサイズだと入らないことが往々にしてあった。
そこで、今回はほとんどの軽自動車のドアポケットに、余裕をもって納められるサイズに変更することにしたというわけです」

消棒ライフセーバー_ドアポケットweb

この「消棒ライフセーバー」の発売によって、高品質な緊急脱出支援用具を備えた軽自動車はぐっと増えることになるだろう。そして、それは悲惨極まりない缶詰事故による犠牲者が減ることに繋がっていくはずである。

近い将来にISOを取得し
世界の消棒シリーズに育てたい

最後に、今後、消棒シリーズ(※トラック用やEVなどの充電設備用などもある)をどう成長させていくつもりなのか、その展望を吉田社長にうかがった。

「日本国内でなるべく多くのクルマに搭載いただけるようにしたいというのはもちろん、できれば世界中でこの消棒シリーズを搭載するクルマを増やしていきたいと考えています。世界中で缶詰事故がどれだけ起きているか、はっきりとした数字は知りませんが、おそらくかなり起きているはずです。その事故による、水死者や焼死者も相当な数にのぼっているにちがいありません。この高品質な消棒シリーズを普及させることで、悲劇から多くの人を救うことができます」

「これを実現するためには現在の日本国内用のJIS規格を受けているだけでは事足りません。ISOという国際標準化機構の規格も取得する必要があります。そうなれば、おそらく世界中の自動車メーカーの純正指定が受けられるようになり、それによって多くのユーザーが安心して購入してくれるようになるはずです」

「じつはいま、行政のバックアップをもらいながらこのISO取得の道を探っています。結果はまだわかりませんが、夢を夢で終わらせないために、果敢にチャレンジしていきます。どうか、今後の消棒シリーズの新たな展開に期待してください」

ワイピーシステム吉田社長web

たしかに、世界に目を向けたとき、安全性は“技術大国ニッポン”が存在感をアピールできる領域に違いない。その点について、国内での認識がやっと盛り上がりつつあるのは遅い気もするが、JIS規格などのプロセスを経て、消棒シリーズは大いに注目されていくだろう。
クルマの安心・安全にかかわる製品として、その普及を応援していきたい!

【番外編】緊急脱出の準備、できていますか!? JIS適合の「消棒RESCUE」が頼りになるワケ(前編)
【番外編】緊急脱出の準備、できていますか!? JIS適合の「消棒RESCUE」が頼りになるワケ(中編)
【番外編】緊急脱出の準備、できていますか!? JIS適合の「消棒RESCUE」が頼りになるワケ(後編)

【製品情報】
・消棒レスキュー ・・・・・ 定価6,000円
・消棒ライフセーバー ・・・ 定価3,000円
※消費税・送料・代引手数料は別途

消棒_ロータスタウン_問い合わせ

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