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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.89(後編)ブレーキ液の劣化による事故で散々な目に。法定点検は毎年受けよう!

2024年2月8日更新

整備不良_2-1

年に100件前後ある
ブレーキ不良の事故

交通事故総合分析センターの調べによると、2020年中に起きた交通事故のうち整備不良による事故は250件。そのうちブレーキなどの「制動装置の不良」が原因の事故は、約43%にあたる108件だったそうです。

件数としてはごくわずかかもしれませんが、ブレーキが効かないクルマが重大な事故を起こす確率が高くなることを考えれば、決して侮れない数値といえます。

こうした事態に陥らないためには、どうすればいいのか。

言わずもがなですが、愛車の状態を適正に保つために、日常点検と1年ごとの法定点検をしっかり行うことが何よりも大切です。

1か月に1回は
日常点検を行うべし

日常点検は、ドライバー自身が行うものです。

愛車の状態を適正に保つのはドライバーの責任であり、乗用車の場合、日常点検を1か月に1回は行うべきであるといえます。

日常点検でチェックすべき項目は全部で15項目。エンジンルーム5項目、クルマ周り4項目、運転席6項目とそう多くはありません。チェック内容もごく簡単で、国土交通省が出している以下のチェックシートを使えば、初めて日常点検を行うとしても30分もかからずに行えるはず。これまでサボりがちだった人は、ぜひ、明日からでも取り組んでみてはいかがでしょう。



ちなみに、昨今は、マイカーを持たずにカーシェアリングを利用する方も多くなっていますが、カーシェリング会社は利用前の日常点検を呼び掛けています。各社で呼び掛けの内容は違っているかもしれませんが、概ね予約開始時刻の10分前くらいからの時間を日常点検のためのサービスタイムとして設定しているようです。「安全のために日常点検を」という考えは、カーシェアリングにおいても共通しているわけです。

ところで、上記のチェックシートではブレーキ液のチェックは量が適正かどうかを確認するだけとなっていますが、前編のストーリーを鑑みれば、劣化状況も確認したいところ。

このチェックも難しくはありません。新しいブレーキ液の色は透明もしくは薄黄色をしていて、劣化するにつれて茶色、焦げ茶色、黒色へと変色していくのですが、ベーパーロック現象が起こりやすくなるのは焦げ茶色となった段階。もし、そうなっているのを見つけたら、すぐに近くの自動車整備工場に持ち込むなどして交換するようにしてください。

1年ごとの法定点検も
欠かさず受けるべし

法定点検は、基本的に自動車整備工場やカーディーラーなどで整備のプロに依頼して行うものです。

自家用乗用車の場合、図にあるように、車検と車検の間に行う1年ごとの法定点検(=12ヶ月点検、27項目)と、車検のタイミングで行う2年ごとの法定点検(=24ヶ月点検、57項目)を受ける義務があります。

整備不良_2-3

前編のストーリーに登場するGくんの叔父さんは、車検の際に行う2年ごとの24ヶ月点検は受けていたようですが、1年ごとの12ヶ月点検は怠っていました。12ヶ月点検を受けなかった場合の罰則は特にありませんが、だからといってこれを怠るのは考え物です。

確かに、今のクルマは壊れにくくなっています。しかし、使い続けていれば、あらゆる箇所で少しずつ劣化が進みます。1年ごとの12ヶ月点検を怠ると、その間に起きている重大な劣化を見逃し、トラブルに陥る可能性が高まります。

また、法定点検を怠ればメーカー保証も法による部品の交換や修理が受けられなくなる可能性があります。

ということで、日常点検の実施と併せて、1年ごとの12ヶ月点検と、車検のときに行う2年ごとの24ヶ月点検を必ず受けるようにしましょう。

なお、車検と24ヶ月点検は同じものではありません。

車検は国が定めている安全性・環境性能を満たしているかどうかの検査です。一方の24ヶ月点検はクルマの本来の性能を維持してトラブルに陥らないようにする予防整備の一環です。ですから、車検の際に「車検を通ればいいので、それ以外の点検・整備はいらない」と考えず、愛車の状態を適正に保つために点検結果を担当整備士からよく聞き、必要であればしっかりと整備を行ってもらうことをお勧めします。

ブレーキ液の劣化による事故で散々な目に。法定点検は毎年受けよう!(前編)

ブレーキ液の劣化による事故で散々な目に。法定点検は毎年受けよう!(後編)

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