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クルマのトラブル「もしも」マニュアル

Vol.52 フードデリバリーの自転車が増える中、「自転車の保険」の義務化が急!(後編)

2020年8月25日更新



コロナ禍中の4月1日から
東京都で自転車の保険が義務化

2020年春、報道はコロナ禍一色となりました。その間、ほかの重大なニュースもいろいろ流れましたが、なかなか注目されませんでした。

例えば4月1日にあった「東京都で4月から自転車の保険の義務化がスタート」というニュース。これも、かなり重要な内容だったにも関わらず、それほど大きな話題とはなりませんでした。

皆さんは、このニュース、意識してチェックしてましたか?

現在23の自治体が
義務化条例を公布

自転車の保険を義務とする条例を決めたのは、2015年の兵庫県が最初です。以降、国土交通省の掛け声のもと、全国に同様の動きが急速に広がりだしました。2020年4月の東京都での義務化もその流れの中で行われたものです。

まだ努力義務に留めているところや、条例を制定していない自治体もあったりします。ですが、今後、日本全国で自転車の保険が義務化されて行くのは、ほぼ間違いないところと言えそうです。



義務化のきっかけは
賠償の高額化

この義務化の動きは、もともと多数起きていた自転車事故において、近年、歩行者を死傷させるような重大事故が増えており、その賠償が高額にのぼっていることを問題視して始まったものです。すなわち保険によって加害者の支払い能力をカバーし、被害者への賠償がきっちり行われることをめざしてスタートしたのです。

事実、以下に示した自転車事故の賠償事例の表には、数千万円から1億円近くの賠償の支払い命令が下されたケースが並んでいます。改めて自転車が死傷事故を起こしうるという事実に気付かされますが、もし自分が加害者となってしまい、かつ無保険だったとしたら被害者へのお詫びができないうえに自分自身の生活も破綻する可能性は高く、それを考えると心底恐ろしくなります。



こういう事故そして賠償に関わる恐怖を減らすためには、全国のすべての自転車保有者が自転車の保険に加入することが理想であり、必須のこととなるのです。

ただ、現在のところ、この自転車の保険を義務とする条例に罰則は設けられていません。いずれなんらかの罰則が付くようになるかも知れませんが、今のところは自転車を保有している一人ひとりが自転車事故による被害の恐ろしさをよく理解し、その認識のもとで自ら進んで加入するという構図です。

こうなると、現実的には「罰則がないのなら入らなくてもいいや」という人が出てしまいます。ただし、条例で義務化されたことを受けて、独自に加入を促進するための規制を敷く組織・団体が徐々に現れてきているのも事実です。ある学校では、生徒の自転車通学を許可する際には保険への加入をマストの条件にしているといいます。

個人の自助努力の発揮に加えて、各組織・団体のコンプライアンス的な規制も重なっていく。さらに、損害保険会社も、この流れを見逃さずさまざまな提案を行っています。この連動によって自転車保有者の意識が変化し、自転車の保険は活性化し始めています。

クルマをもっているヒトなら
自動車保険の特約がオススメ

では、個人が加入するべき自転車の保険とは、いったいどのような保険のことを指すのでしょうか……。

実は、これは、たった一つの「自転車保険」を指しているわけではありません。下の表に示したように、さまざまな形態の保険が存在しており、それぞれが自転車による事故の損害を補償する保険となっています。そして、加入の義務を果たすためには、そのいずれかに加入していれば基本的にはOKなのです。



これらの保険は料金も補償の内容もさまざま。なので、どれに加入すればいいかは一概には言えません。自転車に乗る人それぞれにとって入りやすく、かつ納得できる内容のものがベストということになります。

でも、ある程度の指針はほしいですよね?

ということで、クルマをもっている読者のみなさん向けに限定し、オススメの保険を紹介したいと思います。

まずイチオシは、②の自動車保険の特約である「自転車傷害補償特約」と「個人賠償責任補償特約」への加入です。

加入済みの自動車保険にこれらを付帯すると、万が一自転車で事故を起こした際には、「自転車傷害補償特約」で自身のケガの入院費などが補償され、「個人賠償責任補償特約」で相手への被害(ケガや所有物の破壊)への賠償がなされます(ただし「個人賠償責任補償特約」では業務中の事故による損害は補償されません)。しかも、自分の分だけでなく家族の分もカバーできる契約もできます。手続きはとてもカンタン。ぜひ、現在の自動車保険を契約している代理店の担当者に声を掛けてみてください。

もうひとつは、①のカテゴリーの中の一つであるインターネットから入る自転車の保険。これも検討の価値アリです。

この保険の特長は、補償内容がけっこう充実しているわりにスマートフォンから簡単に加入できて保険料も廉価であるという点。思い立ったら誰でもすぐに加入ができる良さがあります。もちろん家族の分もカバーできます。

従来、クルマのネット保険については、専門家のアドバイスがないために実際のカーライフに適した契約内容にならない恐れがあったり、事故後のフォローの心配があったりするので、「あまり推奨しない」という声もあります。ですが、自転車の保険の内容はクルマの保険と比べてかなりシンプルなので、そうした危惧はなさそう。なのでオススメ。ロータスクラブが提携する東京海上日動火災保険では、eサイクル保険という商品があります。

さてさて、皆さんは、どの自転車の保険を選ばれるのでしょうか?

いずれにせよ、義務化された自治体に住む人は、今すぐ加入するよう努めてください。まだ義務化されていない自治体に住んでいる方も、万が一のときの危機感を強くし、しっかり加入を検討するようにしましょう。それが、再び自転車が存在感を増し出した交通社会を生きる人たちすべての安心につながります。

フードデリバリーの自転車が増える中、「自転車の保険」の義務化が急!(前編)

フードデリバリーの自転車が増える中、「自転車の保険」の義務化が急!(後編)

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