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クルマのことならなんでもガイド
2018年7月5日更新
再登場の達人
真鍋モータース・真鍋貴行
2017年5月4日付の毎日新聞香川県版とヤフーニュースにこんな記事が載りました。・・・『〈軽乗用車〉「世界に一台」、左ハンドル化 輸出構想も』(※掲載サイトが記事の差し替えを行っているため、この記事は現在見ることができません)
このニュースの主人公は、じつは、以前に“初代達人”としてこのコーナーに登場した『真鍋モータース』の真鍋貴行社長。ということで、なぜ軽の左ハンドル車をつくったのかなど、いろいろ気になるところを直撃してみました!
日本全国のクルマ好きから問い合わせ続々
◎毎日新聞とヤフーニュースに記事が載った反響はいかがですか?
「ホームページのアクセス数が30倍になって、全国からのメールや電話での問い合わせもグンと増えましたね」
◎どんな人たちが連絡してくるのですか?
「50歳前後のクルマ好きの人たちが多いですね。みなさん、自分だけの1台をもちたいという思いで連絡してこられます。ちなみに、そのほとんどは家にクルマを2台以上もっていらっしゃる方々。家族で1台のクルマを共有している場合は、奥さんとかに『なんでわざわざ左ハンドルにしなきゃいけないの?』って猛烈に反対されるみたいです(笑)」
◎個人のお客さまがメインですか?
「いや、クルマの販売会社さんなどからも連絡がきますよ。軽の左ハンドルを展示して、宣伝に使いたいとかいって……。やはり、これまでなかったクルマですから、相当にインパクトがあるみたいですね」
前例がなかった軽乗用車の左ハンドル化
◎2014年に軽自動車の左ハンドル化を思いついたとのことですが、なぜでしょうか?
「まずは、単純に世の中にないものをつくりたいと思ったからです。そして同時に、それを実現させることで、ウチの技術力の高さを証明したいとも考えました」
「あと、左ハンドル車の意外な安全性というものにも着目しましたね。路肩に停めたときの乗降に右ハンドル車ほどの危険がともなわない。交差点での左折時にはバイクや自転車を巻き込む危険性が少なくなる。右折時には前方がよく確認できないからこそ危険な見切り発車が減る……。そうであるならば、これは世の中に一定数あって然るべきクルマだろうと考えたわけです」
◎2016年に軽自動車の左ハンドル化に成功。“世界初”ということになりますか?
「うーん、厳密にいうとちがいます。軽商用車には左ハンドル車が既に存在してるからです。ただ、軽乗用車に限っては、前例がなかったので、そういう意味では世界初といっていいと思います」
◎なぜ、軽商用車には左ハンドル車があり、軽乗用車には左ハンドル車がなかったのでしょう?
「軽商用車は荷物を載せることを前提としたクルマなので、安全基準があまり厳しくなく、改造するのが比較的カンタンなんです。一方、軽乗用車は助手席にも後部座席にも人が乗るということで、安全基準がかなり厳しくなっていて、車検を通すのが大変。そうなると、そこまで苦労してやろうと考える人はなかなかでてこないわけです。僕は、難しいからこそ、やる価値があると考えたわけですけどね(笑)」
一番難しいのはダッシュボードの左右入れ替え
◎軽乗用車の左ハンドル化では、なにが一番難しかったですか?
「いろいろあるんですが、一番苦労するのはダッシュボードの左右入れ替えです。1回、切ってバラバラにして、くっつけ直して左右を入れ替えますが、いまどきのクルマは左右対称ではないので、ピッタリ収めるための微調整がすごく大変なんです。細かいことをいうと、エアコンの吹き出し口の位置決めと設置なんかは相当に難しい作業となります」
◎ダッシュボードは既存の素材を使っているということでしょうか?
「そうです。新たにつくるとなると素材の燃焼実験などが必要になります。それはメーカーにしかできません。なので、われわれが行う改造においては、いまあるものを使って左右を入れ替えるのが、作業効率的にもコスト的にもベストなのです。とはいえ、助手席側の安全基準をクリアするために、ダッシュボードに何度も鉄球を衝突させる実験を繰り返すなどの手間と時間はそれなりに発生しましたが……」
◎改造に要した期間はどれくらいでしょうか?
「最初の1台をつくるまでには1年以上かかりました。でも、ある程度のノウハウが蓄積されたいまは、申請まで含めると4ヵ月くらいでできあがります」
◎改造の料金はどれくらいですか?
「新車でも中古車でも、スズキのハスラーで80万円あまりといったところです。ほかもだいたいそれくらい。新たに安全実験が必要なものがでてくれば、それにプラス10~15万円となるわけですが、なんとか100万円以内には収まると思います」
(後編に続く)
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