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クルマのことならなんでもガイド
2018年7月30日更新
今月の達人
宮本モータース・宮本毅
前回は「タイヤを交換するときには“ちゃんとした製品”を選びましょう」という基本的なお話をしました。今回は、その“ちゃんとした製品”には、クルマのタイプ別の専用タイヤが用意されているので、そのことをはっきりと意識しながらチョイスしましょう・・・というお話です。
ここ10年で増えてきた専用タイヤ
ここ10年、一定のグレード以上のタイヤには、「ミニバン専用」を筆頭に、「セダン専用」、「軽自動車・コンパクトカー専用」といった具合に、クルマのタイプに合った専用タイヤがつぎつぎに発売されています。
ですから、ドライバーのみなさんは、タイヤの質のちがいだけでなく、「クルマのタイプ別」という軸も考慮してタイヤ選びをする必要があるわけです。
選ぶ基準が増えて、なんだか面倒?
いえいえ、まずどのグレードにするかを決めて、そのなかで自分が乗っているクルマのタイプ専用のタイヤを選べばいいだけなので、そんなに面倒な話ではありません。
たとえば、あなたがブリヂストンのエコピアNH100シリーズを選んだとしましょう。すると、①「エコピアNH100」と②「エコピアNH100 RV」と③「エコピアNH100 C」という三つの選択肢があることに気づきます。
でも、そこで悩んだり迷ったりする必要はありません。製品名の名称の末尾になにもついていない①はセダン・クーペ専用、「RV」とついた②はミニバン専用、「C」とついた③は軽・コンパクトカー専用ということになっているので、そのまま自分のクルマのタイプに応じたものを選べばいいだけ。とてもシンプルなチョイスです。
専用タイヤか否かは
乗り心地を大きく左右する
さて、ここでみなさんが専用タイヤについて抱きがちな“素朴なギモン”についてお話ししておきたいと思います。
なぜ、ドライバーは、タイヤを選ぶときに専用タイヤを選ぶ必要があるのでしょうか?
じつは、私もお客さまから、「僕のミニバンはセダン専用のタイヤとサイズが同じ。なのに、どうしてセダン専用のタイヤを選んじゃいけないの?」といった質問をいただくことがあります。
グレードとサイズが同じタイヤならば、どちらを選んだってそんなに大きなちがいはないのではないか、というわけです。なるほど、そのようにお考えになる気持ちはわかります。
しかし、私はそれにいつもこう答えるようにしています。
「もちろん、ミニバンに同じサイズのセダン専用のタイヤを履かせても走ることはできますよ。でも、せっかくちゃんとしたグレードのタイヤを選んだのに、静粛性、燃費性能、ライフ性能など、タイヤ本来の性能がしっかり発揮されなくなる可能性があります。とくに、乗り心地の面で支障がでると思いますよ」と。
専用タイヤを選ばないと、そのグレードのタイヤを選ぶときにお客さま自身が期待した性能・乗り心地が感じられず、がっかりするということになってしまうのです。
ミニバン専用タイヤは
特有のふらつきを抑制する
たとえば、ミニバン専用タイヤとセダン専用タイヤを比べて一番わかりやすい違いは、「ふらつきの度合い」でしょう。
そもそもミニバンあるいはSUVというクルマは、車高が高いうえに乗員数が6~8人になることもあるため、高速道路で車線変更をしたときなどには、どうしてもふらつきが大きくなりがちです。
そのため各タイヤメーカーは、ミニバン専用タイヤに、そうした車高や乗員数に起因したふらつきを抑えるための特別な設計を施しています。
ところが、そんなミニバンが、もしセダン専用タイヤを履いていたとしたらどうなるか?
いうまでもないことですが、ふらつき抑制の効果は望めません。これは、決してセダン専用タイヤの性能が悪いということではなくて、車高や乗員数への対応がセダンを前提としているため、必然的にそうなってしまうという話です。
ミニバン特有のふらつきを抑え、快適かつ安全に走りたいなら、それをめざして設計されているミニバン専用タイヤが必須ということですね。
一見して同じでも
細部にはさまざまな工夫が
最後に、ミニバン専用タイヤのふらつき抑制を狙った設計について、もう少しお話したいと思います。
たとえば、ブリヂストンの高グレード・タイヤであるREGNO GRVⅡ(ミニバン専用タイヤ)は、タイヤのIN側とOUT側にそれぞれミニバンだからこそ求められるチューニングを施しています(IN側に「ラウンドスロット」、OUT側に「レグノミニバン用サイドチューニング」を採用)。
こうした設計によって、高次元の剛性を確保しつつ、静粛性を犠牲にすることなくふらつきを抑制することに成功しています。もちろん、それが上質な走りと優雅な乗り心地につながっているわけです。
前回もお話ししたとおり、タイヤは「ただ走ればいい」というだけの部品ではありません。クルマ本来の機能を担いつつ、より快適に、より安全に走るために、ちゃんとした製品で、かつクルマのタイプに合ったものを選ぶべきなのです。
いかがでしょうか?タイヤについて知れば知るほど、自分のクルマとタイヤとのマッチングが必要だということがお分かりいただけたと思います。
ぜひこのことを忘れずに、タイヤ選びをしていただきたいと思います。
お店紹介
宮本モータース:宮本武夫氏(宮本毅氏の祖父)が、1937年に新潟県魚沼市で創業した歴史あるロータス店。自動車の普及とともに発展し、二代目の宮本実氏(叔父)、三代目の宮本好治氏(父)に続き、現在は四代目の宮本毅氏が経営を担っている。社是は「私たちの仕事は、あなたさまの安心、快適なカーライフをお手伝いすることです」。地域密着を基本としながら、お客さまのカーライフ充実に向けた活動に積極的に取り組んでいる。
住所:新潟県魚沼市堀之内103番地
電話:025-794-2508
HP:http://miyamoto-motors.jp
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