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みらいのくるまの「ただいまのところ」情報
2018年1月31日更新
世界最大の自動車技術展『オートモーティブワールド2018』が、1月17日~19日の3日間、東京ビックサイトで開催された。注目はなんといっても今回はじめて加わった『自動運転EXPO』。自動運転の実現が、そう遠くないことを予感させるような内容となっていた。
初開催でも賑わっていた『自動運転EXPO』
いまのところ、われわれ一般ドライバーにとっては、自動運転車はまだまだ遠いみらいの乗り物だ。
しかし、常に最先端を現在地として見つめつづけることが宿命づけられている自動車業界内に人々にとっては、そうではないようだ。喫緊の課題として自動運転車の実現を捉えているところがある。
事実、今回の『オートモーティブワールド2018』では、従来からの『カーエレクトロニクス技術展』『EV・HEV 駆動システム技術展』『クルマの軽量化技術展』『コネクティッド・カーEXPO』などに加え、はじめて自動運転に関する技術展示コーナーである『自動運転EXPO』が設置されたのだが、そこは、ほかの展示コーナーに負けないほどの賑わいを見せていた。
ミニマムでバーチャルな技術展示が多数
『自動運転EXPO』には、国内外の部品メーカーや商社などが数多くブースを連ねていた。
実際の自動運転車を展示しているブースもあるにはあったが、自動運転を可能とするためのセンサ類やカメラモジュール、ミリ波レーダーといった部品もしくは関連技術の展示がほとんどだった。そして、その多くはシミュレータや模型を使ったものとなっていた。
あるブースにいた技術者に、シミュレータや模型の展示が多いワケを聞いたところ、こんな答えが返ってきた。
「自動運転を可能とするためのセンサなどを実車を使って公道で実験するには費用と時間が多くかかります。しかし、そうした実験をシミュレータや模型などで行えば、わずかな費用と時間で済ますことができる。われわれは、そうした合理的なやり方を自動車メーカーや部品メーカーの方々に提案しているわけです」
「じつは、自動運転のために必要な技術って、こういうミニマムでバーチャルな領域で再現できるものがけっこう多いんですよ。みなさんが考えているほどには難解かつ壮大なものではなかったりするんです(笑)」
AIはセンサのデータを元に運転指示をだす
では、話題のAIは、これら技術にどう関わってくるのか?
技術者の人に、さらに解説をお願いした。
「クルマのAIって、運転の手助けをするコンピュータのソフトウェアみたいなものと捉えればいいんです。もし、人間がクルマにたくさん付いたセンサやLIDAR(Light Detection And Ranging)、ミリ波レーダー、カメラからの情報(膨大な情報)を受け取っても、それを瞬時に解析して、それに応じた正しい操作をすることはできません。しかしAIを通せば、それが瞬時にできるようになるわけです。それ自体、すごいことではあるものの、カラクリとしては非常にシンプルなんです」
「ちなみに、AIって自分で学習して進化するといわれていますが、この表現は、ちょっと誤解を生みやすいので注意が必要です。クルマのAIって、結局、さまざまな交通上のデータのパターンを覚え、それを元にあらゆる交通シーンの解析とそれに応じた指示がだせるようになるだけで、なにもないところから事象を認識・判断するわけではないんです。そう、よくいわれるような得体の知れない怪物なんかじゃ決してないんです(笑)」
つまり、ごくごく簡単に捉えれば、自動運転とは「交通データを集めるセンサ類と、それらからのデータを解析して正しい運転を指示するAIによって成り立つもの」となるだろうか……。
なにやら、まだまだ先のクルマだと思っていた自動運転が、急に身近かなものに思えてきた。それが実感できただけでも、とてもいい技術展示会だったといえる。
なお、同展示会は、2018年9月5日~7日に名古屋のポートメッセなごやでも開催されることになっている。(文:みらいのくるま取材班)
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